ごんさんへ 投稿者:ゆりくま 投稿日:2006/02/22(Wed) 14:19 No.6494 | |
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| いっぱい書いてるうちに解決されたようですが、もったいないので投稿しちゃいます。
■撹拌の必要性 〜初めの20分とは〜
オイルと苛性ソーダが出会うことで石けんになる反応が起こります。ご存知のように水とオイルは静置していたのでは混ざらず上下に分離します。苛性ソーダは水側に溶けており、分離したままの状態であれば、オイルと水の境界面でしか反応が起こらず、しかもできた石けん分が境界面とどまっていると新たなオイルが苛性ソーダに触れるのに邪魔になるため、全体が石けんになるのは難しいです。
そこで撹拌が必要になります。撹拌することで、 1)水とオイルが細かく分散することで接触面積が増えます。 2)オイル自体、水自体も撹拌され、常に反応していない成分が接触面に出てくることができます。
したがって、石けんになる反応が速く進むことになります。 分離しやすい(=反応しにくい)初めの段階でがんばって撹拌すれば、それだけ完成が早くなるわけです。
撹拌しつづけてある程度石けん分ができてくると、石けん自体の界面活性作用でオイルと水が混ざりやすくなり、分離の状態が解消されてきます。つまり手を休めたとたんに上下に分離、ということはなくなるので、多少手を休めても大丈夫です。反応は確実に進み安くなっています。この状態になる目安が20分ということでしょう。 ただし撹拌をやめて時間を置くと、まだ分離してしまう状態です。
■トレースとは
トレースは、緩めの生クリームのように、泡だて器を持ち上げるとスーッと糸を引くように生地が付いてきて、その糸が元の生地に落ちたときにすこし跡が残る、垂れる生地で「絵がかける」状態です。 これは、反応が進んで相当量の石けん分ができていて、もう分離はしないという状態の目安と考えてよいです。 つまり、型に入れて完全に手を離してもOKということです。 あくまで目安なので、トレースが出ていなくても、時間を置いて分離しなければ型に入れてしまっていいです。
TAOさんの本などは、速度は緩めてもよいもののトレースまで撹拌し続けるレシピです。ちょっと疲れますが、トレースがでたかどうかがはっきりわかります。
前田京子さんの本では、20分以降は手を休めて、様子を見て分離していたら混ぜて均一にしつつ、トレースを待つことになります。オリーブオイルのようにトレースが非常に遅いとわかっているか、慣れた時間の読めるレシピでないと、タイミングを間違って型入れ前に固まってしまう危険があります。
長くなりましたが、ご理解いただけたでしょうか? マヨネーズの乳化に似ていますが、石けんは反応が伴うのでいずれ完全に混ざります。 ラードのように温度が下がると固まってしまうものが多いレシピの場合、固体の部分は水と完全に混ざらず反応しないので、トレースまでは液でいられる温度を保ってやる必要があります。(20分以降放置する方法は向いていないと思います)
トレースを実感してみるには、米油(米ぬか油、玄米油)メインの石けんを作ってみられてはどうでしょうか。 米油30-50%程度あれば、5-10分でトレースまで持っていける可能性大です。
乾燥の仕方は。。。 一般的には 光が当たらない、風通しのいいところ でしょうか。 |
| Re: ゆりくまさんへ ごん - 2006/02/26(Sun) 13:58 No.6504 | |
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| 大変細かいところまでご指導頂きありがとうごさいました。 何とか成功?したのではないかとおもわれます。 最初の20分が肝心だということがよくわかりました。 ラードにこだわって作っていますが、成功したら他の油脂も混ぜていこうと思ってます。 あまりラードは人気がないのかな? 臭いがあるためなのかな・? まだまだ、ラード主体で頑張って行こうと思っていますので また結果の方をお知らせしたいとおもいます。 ほんとに色々有難うございました。^^ |
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